ChatGPTでの週次振り返りとは、1週間の出来事を自分で書き出したうえで、それに対する質問役をChatGPTに担当させる進め方のことである。 書く作業を代行させるのではなく、書いたものに対して問いを返す役を任せる形にすると、1人で振り返るときに起きる「同じ結論に戻る」状態を抜けやすい。この記事では、そのための準備1回分と、毎週の5ステップ、そのまま貼れるプロンプト3つを書く。有料プランでなくても実行できる。
「今週どうだった?」と聞くと、褒められて終わる
日曜の夜、ChatGPTを開いて「今週の振り返りを手伝って」と打つ。今週あったことをだらだら書くと、丁寧な要約と「よく頑張りましたね」という一言が返ってくる。反論も質問もない。読み終えて、自分が振り返る前と何も変わっていないことに気づく。こうなった経験がある人もいる。
浅くなるのは、役と制約を渡していないから
ChatGPTは既定では、聞き手として肯定的に応じる方向に寄りやすい。だから何の指定もなく出来事を投げると、共感と要約が返る。これは不具合ではなく、指示がない状態での既定の振る舞いである。
振り返りで必要なのは要約ではなく、自分では出てこない角度の問いである。 そのためには「何をする役なのか」「何をしてはいけないのか」「1回に何を返すのか」の3つを先に固定する必要がある。以下の手順は、この3点を最初のプロンプトで渡してしまう形にしてある。
準備(1回だけ・10分)
1. 記録の置き場所を決める
ChatGPTのチャット欄は記録の保管先には向かない。会話を消したり、別のチャットを立てたりすると前の週が追えなくなるためだ。確定した内容だけを、メモアプリかノートに1か所だけ作って残す。 チャットは考えるための場、ノートは残すための場、と分ける。
2. 書かないものを決める
他人の実名、勤務先名、健康や家族に関する込み入った事情など、外部サービスに入力したくない情報を先に決めておく。振り返りは「Aさんとの打ち合わせ」を「取引先との打ち合わせ」と書いても成立する。ここを毎回その場で判断すると迷いが増えるので、最初に一度決めてしまう。
毎週の手順(20分)
ステップ1. 事実を5行、自分で書く(7分)
ChatGPTを開く前に、今週あったことを5行だけ書く。評価や感想は入れず、起きたことだけ。ここを先にやるのは、AIに問われてから思い出すと、思い出しやすい出来事(=印象の強い出来事)に偏るためである。
ステップ2. 役と制約を渡す(プロンプト1)
新しいチャットを開き、次をそのまま貼る。
あなたは週次の振り返りの聞き役です。次のルールを守ってください。
1. 私が書いた内容を要約しない。
2. 励まし・評価・アドバイスをしない。
3. 1回の返答で質問は1つだけ。短く。
4. 私が書いていないことを推測して補わない。
5. 私の性格や状態を決めつけない。
これから今週の事実を5行送ります。読んだら、最初の質問を1つだけ返してください。
ステップ3. 事実を送り、問いに答える(8分)
ステップ1の5行を送る。返ってきた質問に、思いつく範囲で答える。答えにくい質問が来たら、答えられない理由のほうを書くとその先に進みやすい。3〜5往復で止める。長くやるほど話が広がり、最後に何も残らなくなる。
ステップ4. 反対側を1回だけ出させる(プロンプト2)
往復が止まってきたら、次を貼る。
ここまでの私の話に対して、私が触れていない見方を1つだけ挙げてください。批判でも構いません。同意や要約は不要です。1〜2文で。
これが、1人の振り返りでは出にくい部分を補う工程になる。返ってきた見方は採用してもしなくてもよい。採用しない場合、その理由を1行書いておくと、それ自体が材料になる。
ステップ5. 自分の言葉で3行だけ残す(5分)
最後に、次を貼る。
私がこの回で言ったことのうち、来週に持ち越す価値がありそうな点を3つ、私の言葉のまま箇条書きで返してください。あなたの解釈や言い換えは入れないでください。
返ってきた3点をそのまま貼らず、自分で読んでから手で書き直してノートに残す。ここを省略すると、記録がAIの文体になり、後で読み返しても自分の記憶と結びつかない。
実際にやると、ここでつまずく
筆者が最初につまずいたのは、プロンプト1を貼らずに始めていたことだった。「今週疲れた」と書くと「大変でしたね、休むことも大切です」と返り、そこで会話が終わる。ルール2(励まし・評価をしない)を足しただけで、返ってくるものが質問に変わった。効いたのは長い前置きではなく、禁止事項を数行書くことだった。
もう1つは、毎週新しいチャットを立てるため、前の週の話が引き継がれないことである。「先週の続きから」と書いても、別チャットの内容は参照されない。同じチャットを使い続ける方法もあるが、数か月分になると過去のやり取りに引きずられ、質問が同じ方向に偏ってきた。今はステップ5で残した3行だけを、翌週の冒頭に貼り直す形にしている。手間はかかるが、引き継ぐ範囲を自分で選べる。
この手順の続けにくい点と、LifeOSがそこをどう扱うか
正直に言うと、この進め方には2つの弱点がある。1つは、毎週プロンプトを貼り、前週の3行を持ち込む作業が手作業で残ること。もう1つは、週をまたいで自分の言葉がどう変わったかを追う仕組みがなく、それを見るには自分でノートを読み比べるしかないことである。
LifeOSは、AIとの対話で自分の価値観を言葉にし、週1回の振り返りでその言葉を更新していく日本語サービスである。役と制約の設定にあたる部分はサービス側に組み込まれているため毎回貼る必要がなく、週次の回は前回までの内容を前提に進む。残す言葉を決めるのは利用者自身という形になっている。登録前に3分で試せる体験があり、カード情報は不要である。
AIを振り返りに使うこと全般の、できること・できないことの整理はAIジャーナリングとは。できること・できないこと・始め方にまとめてある。AIを使わない週次振り返りの手順そのものは週1回の振り返りのやり方。準備・質問・所要時間の完全ガイドにある。
FAQ
無料プランのChatGPTでもできますか?
この記事の手順は、長文の要約や大量のファイル読み込みを必要としないため、無料の範囲でも実行できる。1回あたりのやり取りは5〜8往復程度で、送る文章も5行の事実と短い返答が中心である。ただし利用回数の上限や利用できるモデルは提供側の条件によって変わるため、実際の可否は利用時点の各プランの条件を確認してほしい。
個人的な内容をChatGPTに入力しても大丈夫ですか?
入力した内容の扱いは提供側の設定と規約によって変わるため、心配な情報は入れないという前提で運用するのが確実である。この記事で準備2を先に置いているのはそのためで、実名や勤務先名を伏せても振り返りは成立する。設定画面で会話の学習利用に関する項目を確認できる場合もあるので、一度見ておくとよい。
ChatGPTの返してきた解釈を、そのまま自分の結論にしてよいですか?
そのまま採用しないほうが扱いやすい。AIが返すのは文章として整った候補であり、あなたの事実に照らして正しいかどうかは判定されていない。ステップ4で出た見方は「採用するかどうかを自分が決める材料」として置き、ステップ5でノートに残すときは自分の言葉に書き直す。この2工程を残しておくと、後から読み返したときに、どこが自分の判断でどこが提案だったかが区別できる。
