月曜の朝の重さに対する対策とは、月曜の朝に気分を立て直す工夫ではなく、金曜のうちに「月曜の最初の30分で何をするか」を1つだけ決めて、残りを紙に書いて閉じておく作業である。 月曜に何かを足すのではなく、月曜に残っている判断を金曜に移す形である。
この記事で扱うのは、金曜の退勤前15分で未処理を1列に書き、印を3種類つけて、月曜の1つ目を指定するまでの手順である。紙1枚とペンがあればできる。
金曜18時、「月曜でいいか」と思ってPCを閉じている
金曜の夕方。終わっていない仕事が3つあり、返していない連絡が2つある。どれも今日は終わらないので、「月曜でいいか」と思ってPCを閉じる。
月曜の9時。席に着いて、まず何から手をつけるかが分からない。とりあえずメールを上から開き、返信を2通書き、気がつくと40分経っている。この40分で一番重いのは作業量ではなく、「本当はこれを先にやるべきだったのではないか」という感覚が40分ずっと続くことである。
重さが金曜の夕方ではなく月曜の朝に出るのは、金曜に何もしなかったからではない。金曜にやったのは「終わらせること」だけで、終わらなかったものの扱いを決めていないからである。
重くなるのは、判断が月曜の朝に全部置かれているから
金曜の夕方に残るものは2種類ある。終わらなかった作業と、返していない連絡である。このどちらも、金曜の時点では「月曜に考える」という扱いになる。
つまり月曜の朝には、作業そのものに加えて、「何を先にやるか」「どれが自分の手番か」「どれが相手待ちか」という判断が同時に戻ってくる。朝のいちばん決めにくい時間に、判断が5個も6個も積まれている形である。
これは気持ちの持ち方の問題ではなく、判断を置いた場所の問題である。判断は、量が同じでも置かれる時間帯で重さが変わる。金曜の夕方は判断の質が落ちる時間だが、「月曜の1つ目を指定する」という1個の判断だけは、金曜の方が早く決まる。残りの判断が目の前に並んでいるからである。
金曜の退勤前15分でやる手順
タイマーを15分にして、紙1枚に書く。アプリでもよいが、月曜の朝に開く手間が増えるので紙の方が確実である。
手順1: 終わっていないものを1列に書く(5分)
仕事・連絡・自分の用事を分けない。1行1件で、思い出せる分だけ書く。全部書こうとしないのがこの手順のコツで、5分で止める。網羅性より、月曜の朝に目に入る状態にすることが目的である。
書き出しそのものが止まる場合は、頭の中が整理できないときの書き出し方の型を先に使うと進むことがある。
手順2: 行の先頭に3種類の印をつける(3分)
- ◯: 月曜に自分が動くもの
- →: 相手の返事を待っているもの
- 後: 来週の後半でよいもの
印は1行に1つだけつける。迷った行は◯にしておく。分類の精度は要らない。◯の数を見える形にするのが目的である。
手順3: 月曜の最初の1つに二重丸をつける(2分)
◯の中から1つだけ選んで、二重丸をつける。複数つけない。選べないときは、所要時間が短い方を選ぶ。重要な方ではなく短い方を選ぶのは、月曜の朝に着手できる確率が高い方を選ぶためである。
◯が10行を超えている週は、二重丸が選べなくなる。その週は◯のうち上3行だけを見て、その中から選ぶ。
手順4: 相手待ちの行に宛先だけ書く(3分)
→の行には、「誰に」「ひとこと何を」だけを書く。たとえば「佐藤さんに催促」まで。文面は作らない。文面を作り始めると15分では終わらず、この手順自体が金曜にできなくなる。
手順5: 紙を置いて帰る(2分)
紙をキーボードの上か、手帳の翌週のページに挟む。月曜の朝に探さない場所に置くのが条件である。置いたら、他の行を見返さずに退勤する。
月曜の朝にやること
紙を見て、二重丸から始める。メールを開くのは、その1つが終わってからにする。
2週間試したら、月曜の朝に「何から」で迷った時間を3段階(迷わなかった/5分以内/それ以上)で紙の端に書く。これが続けるかどうかの判断材料になる。週単位で手順を点検する形そのものは週1回の振り返りのやり方にまとめてある。
この手順が続きにくくなる場面
金曜の夕方に15分が取れない週がある。 金曜はもともと予定が詰まりやすい曜日である。取れない週は手順3だけやる(◯も印も飛ばして、月曜の1つ目だけ付箋に書く)。3分版として扱う。
紙が溜まって先週の紙と混ざる。 日付を入れていないと、月曜の朝に2枚見比べることになる。紙の上に日付だけ書く。
相手待ちの行が消えない。 →の行は、相手が動かないかぎり何週も残る。3週連続で残った行は、催促そのものを◯にして二重丸の候補に入れる。
祝日の週に機能しない。 月曜が休みの週は、二重丸を「火曜の最初の1つ」として書き換える必要があるが、これは忘れやすい。カレンダーを見て曜日を書き換えるところまでを手順3に含めると減る。
金曜ではなく日曜に回したい場合は、日曜の夜に過去1週間を見る形(日曜の夜10分の振り返り)とは目的が別なので、混ぜない方がよい。週末そのものが動けない状態なら週末にやる気が出ない日の10分、15分すら取れない状況が続いているなら振り返りの時間が取れないときの方が入口として近い。翌週の予定側を先に決めたい場合は週次レビューで予定を決めるがある。
LifeOSがこの部分をどう扱うか
ここまでの手順にLifeOSは出てこない。紙1枚で実行できる。
この手順で扱いにくいのは、毎週の二重丸に何を選んでいるかである。紙は週ごとに入れ替わるので、4週分を並べて「毎週同じ種類の仕事を先に置いている」と気づくことは、まず起きない。気が重い原因が月曜という曜日ではなく、特定の種類の仕事に寄っていることもある。
LifeOSは、週1回の対話で「今週の1つ目に何を選んだか」を残し、何週か続けたときにそこに共通点があるかを見る場所として使える。手順の実行は紙のままで、選び方の傾向と、自分が何を優先したいのかという側をLifeOSが持つ、という分け方である。続かない形を意志の問題として扱わない考え方は振り返りが続かないのは意志の問題ではないに書いてある。
実際の記録のされ方は読むより試した方が早いので、3分で触れる形を用意している。LifeOSを試す
よくある質問
金曜に15分が取れない週はどうすればいいですか?
手順3だけを行う。◯も→も付けず、月曜の最初の1つだけを付箋に書いて貼る。3分で終わる。15分版と3分版を行き来してよく、毎週同じ版をやる必要はない。続かない週があっても、翌週にまた15分版へ戻せる形にしてある。
日曜の夜にやってもいいのでしょうか?
できるが、金曜にやるのとは意味が変わる。金曜は未処理が目の前にあるため、どれが自分の手番かを思い出す必要がない。日曜に行うと、まず思い出す作業が入るので時間が伸びやすい。日曜の夜は、過去1週間を振り返る用途(日曜の夜10分の振り返り)に向いていると考える人もいる。
月曜の重さが毎週続いて、生活に差し支えている場合はどうすればいいですか?
この記事の手順は、朝に判断が集まっている状態を軽くするためのもので、気分の重さそのものを扱うものではない。眠れない、食欲が落ちる、休日も戻らないといった状態が続いている場合は、手順の調整ではなく、医療機関や職場の相談窓口、公的な相談窓口など専門の窓口に相談してほしい。働き方や職場の条件が原因であることもあり、その場合は書く手順では変わらない。
