記録を読み返すかどうかは意欲の差ではなく、書いた量が読み返せる時間に収まっているかどうかで決まる。 1回5分で読み返せる量しか書いていなければ読み返しは起きるし、1回20分かかる量が溜まっていれば開かなくなる。この記事では、読み返す時間を先に測り、その時間に合わせて量を減らす手順を扱う。
書けてはいるのに、一度も開いていないノートが増える
書く習慣そのものは続いている。ノートでもアプリでも、1日数行は残っている。ところが、書いたものを読み返した記憶がない。月末に「せっかく書いたから読み返そう」と開いて、最初の数日ぶんを読んだところで量に気づき、そのまま閉じる。
次に起きるのは、書くこと自体への疑いである。読み返さないなら書く意味がないのではないか、と考えて書くほうを止めてしまう。止めたあとに残るのは、読み返されないまま増えた記録と、書かなくなった現在である。
読み返せない量を書いているのは、形式の問題である
読み返しが起きない原因は、たいてい量と時間の不一致にある。1日5行書けば1週間で35行、1か月で150行になる。150行を読むには実際に10分以上かかり、10分の空きを見つけて開く動作は、書く動作より重い。
ここで起きているのは、意志の問題ではなく読み返す側の容量を決めずに書く側だけを続けたという形式の問題である。書く量は自分で決められるのに、読み返しにかかる時間は量に比例して増える。だから順番を逆にして、読み返しに使える時間を先に決め、その時間に収まる量へ書く側を合わせる。
減らす対象は文字数ではなく、読み返す対象の行数である。全部を薄く書くのではなく、読み返す行に印を付けて、印のない行は読み返さないものとして扱う。
手順: 読み返す時間を測って、1週間分の上限を決める(初回25分+1週間)
用意するのは、これまでの記録と紙1枚、それにタイマーである。過去の記録は捨てない。
1. 直近1週間分だけを読み返して、かかった時間を測る(10分)
手元の記録の直近7日分を開き、タイマーを動かしてから読む。全部読み終えたら時間を止める。3分だったのか12分だったのかを紙に書く。
ここで測るのは読解力ではなく、単に7日分の分量である。途中で読むのがつらくなって止めた場合は、止まった日数と経過時間を書く(「4日分で6分」など)。
2. 毎週使える読み返し時間を1つ決める(5分)
次の1行だけを決める。
毎週、記録を読み返すのに使える時間は ___ 分
現実的な数字にする。5分で足りる。10分以上を書いた場合は、それが毎週確保できるかをもう一度考える。手順1の実測がこの数字を超えていれば、量を減らす対象が確定したことになる。
3. 1回分の記録に「読み返す行」を1行だけ決める(5分)
明日から書く記録の形を変える。内容の量はこれまでどおりで構わない。書き終えたら、その日のなかで後から読み返す価値がある1行に印(★や下線)を付ける。
印は1日1つまでにする。2つ付けたくなる日は、より具体的な事実が書いてある側を選ぶ。印を付ける行がない日は付けなくてよく、その日は読み返し対象が0行になる。
4. 1週間後、印の付いた行だけを読み返して時間を測る(5分)
7日目に、印の付いた行だけを順に読む。最大7行なので、多くの場合2分以内で終わる。読み終えたあと、次の判定をする。
手順2で決めた時間内に収まった → この形を続ける
収まらなかった → 印を1日おきに変える(週3〜4行にする)
5. 過去の記録は、最新の1か月だけを対象にする(残りは触らない)
溜まっている過去分をすべて読み返す計画は立てない。対象は最新の1か月に限り、それ以前は保管したままにする。1か月分でも読み返しに時間がかかる場合は、月の最後の週だけを読む。
読み返さない過去分を消す必要はない。必要になったときに日付から探せる状態であれば、それで足りる。
この手順の続けにくいところ
印を付ける段階でつまずくことが多い。その日のうちに「後から読み返す価値があるか」を判断するのが難しく、結局すべての行に印を付けてしまう。実際にやると、印が多い週は7日目に読み返せずに終わる。1日1つまで、という制限は品質のためではなく、7日目に読み終わるためのものである。
もう1つは、印の付いていない行を「書いた意味がなかった」と感じてしまうことである。印のない行は読み返さないだけで、書いた時点の整理としては役割を終えている。読み返し対象と書く対象を同じにしなくてよい、というのがこの手順の前提になる。
過去分を全部読み返したい気持ちが残る場合もある。半年分を一度に読むと、読み返しそのものが重い作業として記憶に残り、次の週の読み返しが起きにくくなる。対象を1か月に限るのは、そのためである。
LifeOSでは、読み返す材料が週1回のほうから出てくる
読み返す行を自分で選び、週1回開く枠を自分で守るのは手間がかかる。LifeOSは週1回の振り返りを前提にしていて、その週に書いたものが振り返りのなかで材料として出てくるため、読み返す枠を別に作らなくてよい。書けているのに読み返していない状態には、この形が近いことがある。
日々の記録は手元のノートに残したままでもよく、週1回だけLifeOSを開くという分け方もできる。印を付ける手順3を省いても、週1回の側で材料が出てくるぶんは読み返しになる。効果を保証するものではなく、診断・治療・カウンセリングを提供するサービスでもない。無料で試す範囲ではカード情報の登録は不要である。
まずはLifeOSで3分ほど試して、週1回だけ開く形が合うか確かめてみてほしい。
書く側が止まっている場合は振り返りが続かないのは意志の問題ではないが全体像になる。書く手数そのものを減らす話は記録が続かない人が減らすべき3つの手順、書く項目を省略する基準は振り返りノートの書き方のほうが近い。
よくある質問
読み返さない記録は、書かないほうがいいのですか
書く時点で考えが整理される部分があるため、読み返さない行にも役割はある。この手順で分けているのは「書く対象」と「読み返す対象」で、後者だけを読み返せる量に収めている。読み返しを前提にすべての行を短くする必要はない。
溜まった数年分の記録はどう扱えばいいですか
この手順では対象にしない。読み返す対象は最新1か月までとし、それ以前は日付から探せる状態で保管しておく。数年分を読み返す作業は、週1回の読み返しとは別の作業であり、同時に始めると両方が止まりやすい。
印を付ける行が1日もない週がありました
印が0行の週は、読み返し対象が0行のまま7日目を通過してよい。印の数を目標にすると、印を付けるために書く状態になり、読み返しの判定ができなくなる。0行の週が続く場合は、手順3の印の基準を「具体的な事実が書いてある行」まで緩めて試す。
