仕事のモヤモヤを言語化する3ステップ。出来事・感情・理由に分けて書く

2026-10-23 | blog

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仕事のモヤモヤが言葉にならないのは、出来事・感情・理由という3つの要素が1つの文に混ざったまま出てこようとしているためである。 この3つは手に入る時期が違い、出来事と感情は当日に書けるが、理由は後からでないと出ないことが多い。本記事では、紙を3つに分け、当日は左2つだけを書いて理由の欄を空けたまま閉じ、1週間後に1文だけ足す手順を扱う。必要なのは紙とペン、当日10分と1週間後の5分である。

「会議のあと、席に戻ってから何かが引っかかっている」という状態

午後の打ち合わせが終わり、席に戻ってメールを開いたが、文字が頭に入らなかったことがある。怒っているわけではない。何かを言われたわけでもない。それでも何かが残っていて、退勤してからも消えなかった。

その夜、人に話そうとして「なんか今日、あんまり良くなかった」と言ったところで止まった。続けようとすると「あの人がいつも雑で」という言い方になり、口に出した瞬間に自分でも違うと思った。雑かどうかは本題ではなかったが、代わりの言葉が出てこなかった。翌朝には忘れていた。同じことが2週間後にもう一度あり、そのときもまた忘れた。

言葉にならないのは語彙ではなく「情報が出てくる時期が違う」問題として扱える

モヤモヤを一度に書こうとすると、3つの要素が1文に混ざる。混ざった文には、設計上の性質が2つある。

  1. 確かめようがない形になる。 「あの人はいつも雑だ」という文には、出来事・感情・理由が全部入っていて、しかも相手の性格の話に置き換わっている。この形の文は、あとから読み返しても事実と解釈のどちらなのか分からない。
  2. 次の行動が決まらない。 混ざった文は、相談するにも記録するにも粗すぎる。人に見せると「気にしすぎだよ」で終わり、自分で読むと気分だけが戻ってくる。

そして、分けた3つは手に入る時期が違う。何が起きたかも、どう感じたかも当日わかる。なぜそう感じたのかは、ほとんどの場合、当日には出てこない。 語彙の問題ではなく、1回の出来事では理由が1つに絞れないからである。似たことが何度か起きたあとに、共通するものとして見えてくる。

つまり、当日に3つ全部を埋めようとすること自体が、形式の側の無理である。当日に書けるものだけを書いて、残りの欄は空けて閉じる。

手順: 3つに分けて、理由の欄は空けたまま閉じる

手順0: 紙を縦に3つに折る(2分)

A4でもノートの1ページでもよい。縦に3つに折り、左から出来事・感情・理由の見出しを書く。右端の「理由」の欄には今日は何も書かない。先に見出しだけ書くのは、空いていることを意図的な空白にするためである。

置き場所も先に決める。途中で変えないほうがよい。記録そのものが続かない状態が先にある場合は、その手順を通してからのほうが早い。

手順1: 左の欄に「録画で見える範囲のこと」だけを書く(5分)

左の欄には、その場を録画していたら映っていたことだけを書く。性格・意図・気持ちは書かない。

  • 「14時の会議で自分の案を説明した。そのあと誰も発言せず、別の議題に移った」→ 書ける
  • 「上司が自分の案を軽く見ている」→ これは見えないので書かない

見えないものを書くと、自分が当時どう解釈したかの記録になってしまう。書きにくければ、時刻・場所・誰がいたか・何が言われたかの4つだけを並べる。書く材料が思い出せない場合は、書く材料の拾い方の4か所をなぞると出てくることがある。

手順2: 中の欄に「〜と感じた」の形だけで書く(3分)

中の欄には、「〜と感じた」で終わる文だけを書く。「悔しい」「不安」のような単語ではなく文にする。

  • 「自分の案が議題として扱われていないと感じた」
  • 「説明の仕方が悪かったのかもしれないと感じた」

思いつく数だけ書いてよい。数を決めないのは、感じたことの数が日によって違うからである。1つも出てこない日は「何も感じなかったと感じた」で止めてよい。

手順3: 右の欄を空けたまま、紙を閉じる(0分)

ここが本記事の中心である。 右の「理由」の欄は、今日は空けたまま閉じる。書けそうな気がしても書かない。

当日に書いた理由は、たいてい「説明が下手だから」のように、その場の感情を正当化する文になる。一度書くと、次に同じことが起きたときにその文に合うように出来事を読んでしまう。空けておくのは、手を抜くためではなくあとから入ってくる材料の場所を確保するためである。

閉じるときに、紙の端に日付と「1週間後に開く」とだけ書く。

手順4: 1週間後の同じ曜日に開いて、右の欄に1文だけ足す(5分)

1週間後に紙を開き、左と中の欄を読む。そのうえで、右の欄に1文だけ書く。

書けない場合は空のままにする。その代わり、この1週間で似たことが起きていれば、左の欄にもう1件だけ追加する(見える範囲の書き方のまま)。起きていなければ、何も足さずにまた閉じる。

このとき、感情の欄は書き換えない。1週間前に感じたことは、そのときの材料として残しておく。

手順5: 右の欄が3つ埋まったら、共通する言葉を1つ探す(10分)

同じ紙に理由が3つ並んだ時点で(1か月以上かかることが多い)、3つに共通して出てくる言葉を1つ探す。「扱われ方」「決める順番」など、名詞の形になることが多い。

その1語が、自分が仕事のどこに反応しているかの線である。この時点で、言葉にならなかったモヤモヤは、相手の性格の話ではなく自分の側の条件として書ける状態になっている。断るかどうかの判断に使う場合は断る基準の作り方、職場を変えるかどうかの整理に使う場合は転職を考え始めたときの整理メモが続きになる。

この手順が続けにくくなる点を正直に書く

左の欄に、つい意図を書いてしまう。 「軽く扱われた」「流された」はどちらも解釈であって、録画には映らない。書いてから気づいた場合は、消さずに下へ見える範囲の書き直しを足す。消すと、自分がどう解釈しがちなのかの傾向まで消えてしまう。

1週間後に開かない。 これがいちばん多い。対策は、すでに週に1回開いているもの(手帳の週のページ、週次の振り返りの紙)と同じ場所に挟んでおくことである。開く日を新しく作らないほうがよい。

右の欄を埋めたくなって、説明を書いてしまう。 「たぶん忙しかったからだと思う」のような文を書くと、欄は埋まるが線は出てこない。埋まらない回があるのは正常で、3つ並ぶまでに2か月かかることもある。

モヤモヤが強い日ほど、紙を開く気にならない。 当日10分が重い日は、左の欄だけ書いて閉じてよい。

LifeOSがこの作業のどこを引き受けるか

紙を3つに折って当日10分書くところまでは、ペンがあれば終わる。難しいのはその先で、複数の紙にまたがって同じ言葉が出ていることに気づく部分である。1枚ずつ読み返しても、1か月前の紙と今日の紙に同じ語が入っていることには気づきにくい。手順5は、紙がそろっていて並べて読める状態のときにしか成立しない。

LifeOSは、AIとの対話で自分が何を大事にしているかを言葉にし、週1回の振り返りでその言葉を更新していくサービスである。モヤモヤの原因を判定する道具ではなく、右の欄に残した理由を週ごとの記録と並べて置いておく使い方が近い。自分を知る進め方の全体像は自己理解の進め方、価値観を言葉にする側は価値観の見つけ方、1枚のノートにまとめる形式は振り返りノートの作り方にある。

週1回の振り返りの組み立て方は週次振り返りの全体ガイドにある。まず自分の言葉が出てくるかどうかを確かめたい場合は、LifeOSを3分だけ試すのが早い。無料で始められ、カード情報の入力は不要である。

よくある質問

理由の欄を、その日に書いてはいけないのでしょうか?

禁止ではない。ただし当日に書いた理由は、次に同じことが起きたときの見方を固定しやすい。どうしても書きたい場合は、右の欄ではなく紙の裏に書き、1週間後に右の欄を埋めるときは裏を見ないでおく。2つの文が違っていれば、それ自体が材料になる。

人に相談するのと、書くのはどちらが先がいいですか?

順番に決まりはない。相談が先のほうが楽になる場合もある。ただし手順1の欄が書けていると、相談のときに「何があったか」から話せるので、相手が状況を把握しやすいことがある。なお、気分の落ち込みや眠れない状態が続いて日常生活に影響が出ている場合は、書く作業とは切り離して、医療機関などの専門家に相談するのが適切である。

モヤモヤが毎週同じ内容で出てくる場合はどうすればいいですか?

その場合は手順5が早く成立する。右の欄が3つ埋まるのを待たずに、左の欄に同じ種類の出来事が3件並んだ時点で共通する言葉を探してよい。同じ内容が繰り返し出ているということは、1回の出来事では見えなかった条件がすでに何度も現れているということである。書く作業で状況そのものが変わるとは限らないが、何に反応しているかは先に言葉になる。