LifeOSに書いた振り返りの原文は、利用者のアカウントに紐づけてデータベースへ保存され、AIの処理のために外部のAI事業者へ送信される。そして、利用者が画面から削除すれば消える。 「送信しない」でも「一切保存しない」でもなく、保存も送信もしたうえで、消し方と消える範囲を利用者の側に置いている、というのが正確な説明である。この記事では、その内訳と、書く前に自分で確認する手順を扱う。
「これを書いていいのか」で手が止まる場面
登録して、最初の入力欄が出る。書こうとしていることは、職場で言えない類の迷いだったり、家族のことだったりする。書けば整理はつきそうだが、指が止まる。
このとき知りたいのは「絶対に安全か」ではないはずである。絶対はどのサービスにもない。知りたいのは、どこに残り、誰が見得て、自分でどう消せるかの3つで、これは答えが出る質問である。以下は、LifeOSについてのその3つの答えである。
保存されるもの、されないもの
| 対象 | 扱い |
|---|---|
| 振り返りの原文 | アカウントに紐づけて保存する。画面から個別に削除できる |
| 確認済みの記憶(価値観・傾向として自分で確定したもの) | 保存する。1件ずつ引退・削除できる |
| AIが出した未確認の候補 | 保存するが、確定前は自分の記憶として扱わない |
| メールアドレス・認証情報 | 保存する。AIへの指示本文には含めない |
| カード番号・セキュリティコード | LifeOSのサーバーを経由も保存もしない。決済事業者が直接扱う |
| 振り返り本文の広告計測への送信 | 行わない。広告文の生成や広告の対象分けにも使わない |
要点は3行にまとまる。書いた文章は残る。カード情報は預かっていない。書いた文章が広告の材料になることはない。
AIへ何が送られるか
振り返りを生成するとき、いま書いた入力と、確認済みのLifeOS記憶のうち処理に必要な範囲が、外部のAI事業者へ送信される。ここは避けようがなく、送らずにAIの応答は作れない。
そのうえで、LifeOSの側で決めていることが2つある。1つは、氏名・メールアドレス・カード情報・認証情報をAIへの指示本文に意図的に含めないこと。もう1つは、外部AI事業者によるモデル改善のためのデータ共有に明示的に参加しないことである。ただし、外部の事業者が安全管理や不正利用防止のために自社の規約に従って情報を扱う場合があることは、LifeOS側では消せない。この点は「うちは大丈夫」と言わずに書いておく。
なお、利用者本人が入力欄に自分の氏名や他人の実名を書いた場合は、その入力の一部として処理される。ここだけは仕組みで守れないので、利用者側の運用になる。
誰が読むか
日常的に本文を読むことはしていない。担当者が振り返り本文を眺めて回るような画面も運用も持っていない。
一方で、問い合わせへの対応、障害やセキュリティの調査、不正利用の調査、法令上の対応が必要な場合には、権限のある担当者が必要な範囲で閲覧することがある。「誰も絶対に読まない」ではなく「読む理由がある場合に限り、権限のある人が読む」である。また、本人が特定できる形の振り返り本文を広告や導入事例に使う場合は、事前に個別の同意を取る。
手順: サービスに書く前に5分で確認する
これはLifeOSに限らず、AIに何かを書き込む前に自分でできる確認である。どのサービスでも、次の5つは公開文書か画面のどちらかに書いてあり、書いていなければそれ自体が判断材料になる。
1. 削除の単位を確認する(1分)
「退会」しかないのか、1件ずつ消せるのか。1件ずつ消せないサービスに重いことを書くと、後から取り消す手段が退会しか残らない。
LifeOSの場合は、振り返り履歴の画面から1件ずつ削除でき、削除の前に消える範囲を示す確認画面が出る。確定した記憶も1件ずつ引退・削除できる。この操作は無料プランでもできる。
2. 学習に使われるかを確認する(1分)
「モデルの学習に使用しません」に類する記述を、プライバシーポリシーの中で探す。見出しではなく本文にあるかを見る。無ければ「書いていない」と判断する。
3. 保存期間と、消えない場所を確認する(1分)
削除の反映がいつか、バックアップに何日残るかまで書いてあるかを見る。LifeOSの場合、削除の対象となる通常のアプリデータは原則24時間以内に削除し、バックアップには最大90日間残る場合がある、と明示している。「即時に完全消去」と書いてあるサービスの方が、むしろ根拠を確認したほうがよい。
4. 決済情報の預け先を確認する(1分)
カード番号をそのサービス自身が保存するのか、決済事業者が直接扱うのか。後者であれば、そのサービスが漏らすカード番号は最初から存在しない。
5. 書き出せるかを確認する(1分)
自分の書いたものを機械で読める形で取り出せるか。取り出せれば、サービスを離れる判断が軽くなる。LifeOSでは原文・確認済み記憶・目標・振り返り・変更履歴をJSON形式で書き出せるが、これは有料プランの機能である。無料で使える範囲は削除とアカウント削除までで、書き出しは含まない。ここは正直に不利な事実として書いておく。
ここでつまずく
実際にやると、5番の「書き出し」で止まる人が多い。無料で試している段階では書き出しができないため、「合わなかったときに持ち出せない」ことが気になる。これに対する現実的な答えは、無料の範囲で試す間は、書き出したくなるような重い内容を書かないである。試用中に書くのは、その週にあったことと、そこから気づいた1行で足りる。
もう1つのつまずきは、アカウント削除の不可逆性である。アカウントを削除すると認証セッションが無効になり、有料契約が終了し、原則として取り消せない。迷っている段階で消すなら、アカウント削除ではなく個別の振り返り削除を使うほうが戻れる。
LifeOSでの扱い
LifeOSは、週1回の振り返りを重ねて、自分の価値観や傾向を自分の言葉として確定していくサービスである。仕組み上、確定した内容が次回以降のAIへの入力の一部になるため、「何を確定として残すか」を利用者が毎回選ぶ形にしている。AIが出した候補は、本人が確認・修正するまで確定した価値観として扱わない。
料金は月額1,500円(税込)、年額12,000円(税込)で、無料で試す範囲にカード情報の入力は要らない。LifeOSは診断・治療・カウンセリングを提供するサービスではなく、18歳以上を対象としている。 向き不向きはLifeOSはどんな人に向いているかに、登録から初回の振り返りまでの流れはLifeOSの使い方に書いた。週次の振り返りそのもののやり方は週1回の振り返りのやり方にまとめてある。
書く前に確かめておきたいことがある場合は、サービス内のプライバシーポリシーを先に読んでから始めるのがよい。
FAQ
書いた内容は他の利用者に見られますか
見られない。振り返りの内容が他の利用者に公開される機能はなく、公開範囲を設定する項目も存在しない。共有機能がないため、意図せず公開される経路もない。
退会したら書いたものは全部消えますか
アカウントを削除すると、認証情報と、アカウントに紐づく通常のアプリデータの削除が行われる。ただし、決済事業者側の顧客情報や過去の取引記録、外部の基盤サービスのログ、バックアップに残る分は同時には消えない。バックアップには最大90日間残る場合がある。また、法令上の保存義務がある取引記録は必要な期間保存される。
機微な内容を書いても大丈夫ですか
健康や家族関係を含む内容を書くことは仕組み上できるが、書くかどうかは利用者が決めることである。判断の目安として、自分以外の人物を特定できる情報は、自分の同意だけでは決められないため、置き換えて書くほうが後で困りにくい。また、体調や安全にかかわる緊急の相談先としてLifeOSを使わないでほしい。LifeOSは治療やカウンセリングを提供するサービスではない。
