棚卸しをノート1冊で終える。書く順番と1項目あたりの分量

2026-09-26 | blog

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ノート1冊で人生の棚卸しを終えるとは、思い出した順に書いていくのをやめ、先にノートを区画に割り、1項目あたりの行数を決めてから埋める作業である。 決めるのは中身ではなく、書く順番と分量という紙面の側である。

1冊目の3分の1で止まる

ノートを買ってきて、1ページ目に「人生の棚卸し」と書く。幼少期から順に思い出したことを書いていく。最初の数ページは進む。小学校、中学校、部活、受験。ここまでで20ページ使う。

そのあと、社会人以降の話に入ったところで手が止まる。書きたいことは多いのに、どのページに何を書いたか分からなくなっていて、前に戻って探すうちに面倒になる。ノートは3分の1だけ埋まった状態で本棚に入り、半年後に開くと、続きをどこから書けばいいのか分からない。この止まり方をする人もいる。

止まるのは、分量と順番が決まっていないから

紙で棚卸しをするときに効いてくるのは、思い出す力よりも紙面の設計である。

シートやアプリには、あらかじめ欄がある。欄があるということは、1項目に書ける分量がすでに決まっているということでもある。ノートは自由に書けるぶん、この制限が無い。だから最初の項目に3ページ使い、後半の項目に1行しか残らないという配分になりやすい。

もうひとつは順番である。時系列に頭から書く形は、最後に書きたい部分がいちばん遠い。途中でやめると、直近の数年はまるごと空白のまま残る。棚卸しで見たいのが「いまどうなっているか」であれば、この空白は痛い。

だから、先に決めるのは中身ではなく、区画と行数である。 項目そのものを減らす手順は人生の棚卸しシートを自作するに、棚卸し全体の考え方は人生の棚卸しのやり方にまとめてある。ここで扱うのは、ノート1冊をどう割って、1項目に何行書くかだけである。

手順: ノート1冊を4区画に割って埋める(合計3時間・分割可)

用意するものは、罫線のあるノート1冊(A5・80ページ前後)とペン1本でよい。1回で終えなくてよく、区画ごとに分けて進められる。

1. 最初に通しでページ番号を振る(10分)

1ページ目から最後まで、右下に番号を書く。全部のページに番号がある状態を先に作る。

番号があると、あとから「どこに何があるか」を1ページ目の目次に書ける。番号が無いと、探すたびにめくることになり、この「めくる時間」が続かない理由になることがある。

2. ノートを4区画に割って、先に見出しだけ入れる(20分)

全体を4つに割り、境目のページに見出しだけを書く。80ページなら20ページずつでよい。

  • 区画1(p.1〜20): 直近3年にやったこと
  • 区画2(p.21〜40): 直近3年より前の、続いていること
  • 区画3(p.41〜60): 終わったこと・やめたこと
  • 区画4(p.61〜80): 保留(判断がつかないもの)

1ページ目は目次として空けておく。年代で割らないのがこの割り方の要点である。 年代で割ると、書ける量が年代ごとに極端に偏り、余ったページと足りないページが同時に出る。

3. 区画1から書く。時系列に頭から始めない(60分)

いちばん近いところ、つまり直近3年から書き始める。ここが最初なので、途中でやめても直近は埋まっている状態になる。

書き方は次の3行に固定する。

  1. 何を(1行)
  2. いつから/いつまで(1行)
  3. いま続いているか、続いていないか(1行)

1項目3行、1ページ5項目まで。 3行に収まらないと感じたら、それは1項目ではなく2項目に分かれているということなので、割って書く。

4. 区画2・3を、区画1を見ながら埋める(50分)

区画1に書いた項目を眺めて、「これはいつ始まったか」をたどると、3年より前の項目が出てくる。それを区画2に書く。同じ3行の形で書く。

区画3の「終わったこと」は、思い出せる範囲でよい。やめた理由は書かない。 理由を書き始めると1項目が長くなり、分量の設計が崩れる。ここでは「終わった」という事実だけを置く。

5. 判断がつかないものは区画4へ送る(20分)

書いている途中で、「これは続いていると言えるのか」「良かったのか悪かったのか」が決まらない項目が出てくる。それを区画3までに書こうとすると止まるので、区画4へ項目名だけ書いて送る。

区画4はそのまま残しておいてよい。埋まらないページがあっても、1冊としては終わっている。

6. 目次を書いて1冊を閉じる(20分)

1ページ目に戻り、区画ごとの開始ページと、区画1〜3の項目数を書く。

目次を書いた時点で、この1冊は「終えた」ことになる。全ページが埋まっていなくてよい。 終わりの条件を「ページが尽きるまで」にすると終わらないので、終わりの条件を目次側に置く。

実際にやると、ここでつまずく

3行に収まらない。 収まらないときは、たいてい「何を」の行に説明が入り込んでいる。説明は次のページではなく、区画4へ項目として送るか、あとで読み返すときに足す。1回目は3行で通すほうが1冊が終わる。

区画1が20ページに収まらない。 直近3年の項目が100件を超えることは少ないので、収まらない場合は粒度が細かすぎることが多い。「週次のミーティング」のような繰り返しの予定は1項目にまとめる。

きれいに書こうとして進まない。 罫線の幅に合わせようとしたり、後で清書しようと考えたりすると止まる。このノートは他人に見せる前提のものではないので、読み返せる程度の字で足りる。

途中で年代順に直したくなる。 直さなくてよい。順番を直す作業は内容を1つも増やさない。並べ替えが必要になったら、番号を振ってあるので目次側で並べ替えれば済む。

この手順の続けにくい点と、LifeOSがそこをどう扱うか

1冊は終えられても、2冊目が始まらないことがある。棚卸しは1回で完結する作業ではなく、半年後・1年後に見直すと内容が変わる。ところが2回目に入るとき、1冊目のどこを写し、どこを新しく書くかを自分で決めることになり、その判断が重くて始まらない。

もうひとつは、区画1(直近3年)の材料である。3年ぶんを一度に思い出すのは、そもそも重い作業である。毎週少しずつ残っていれば、1冊目を作るときにも2冊目のときにも、そこから拾える。

LifeOSは、対話を通じて自分の価値観を言葉にし、週1回の振り返りで更新していく日本語のサービスである。上の手順との関係でいうと、直近の週に何があったかが毎週たまっていくので、区画1に入れる材料をあとから遡って探す工程が軽くなる。ただし、どの項目を残すか・どう区画に割るかを決めるのは本人であり、サービスが棚卸しの結論を出すわけではない。ノート1冊で作る作業自体は紙とペンだけでできるので、まず1冊やってみて、2冊目の材料集めが重いと感じたときに置き場所を考えれば十分である。

LifeOSを試してみる

価値観を言葉にしていく手順の全体像は自分の価値観の見つけ方にまとめてある。

よくある質問

ノートは何ページのものを選べばよいですか

80ページ前後のものが扱いやすい。厚いノートを選ぶと区画1つが40ページを超え、埋まらないページが増えて「終わっていない」感じが残る。足りなければ2冊目に続ければよく、1冊目を薄くしておくほうが終わりまで行きやすい。

手順の途中で数日空いてしまいました。最初からやり直すべきですか

やり直さなくてよい。区画ごとに独立して書ける形にしてあるので、空いた場合は次の区画から再開できる。区画1が途中なら、その続きから同じ3行の形で書けばよい。

紙のノートではなく、アプリやスプレッドシートでも同じ手順で書けますか

書ける。ただしアプリでは行数の制限が効きにくいので、1項目3行という上限だけは自分で決めておくほうがよい。項目そのものの決め方は人生の棚卸しシートを自作するで扱っている。