AIに渡す前に自分で3行書く。その3行で答えが変わる

2026-10-07 | blog

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AIへの相談の前に自分で書く3行とは、①起きた事実、②迷っている分岐、③返してほしい形の3つを、各1行で書いたものである。 この3行を作ってから送ると、同じAI・同じプロンプトでも返ってくる内容が変わる。変わる理由は、AIが推測で埋めていた部分が減るためである。

「相談したのに、当たり前のことしか返ってこない」場面

仕事の進め方に迷って、ChatGPTを開く。「最近うまく進まないのですが、どうすればいいですか」と書いて送る。返ってくるのは、タスクを分解する、優先順位をつける、休息をとる、といった一般的な助言の一覧である。

どれも正しいが、自分の状況に当てはめる作業が丸ごと残っている。そこで補足を足して送ると、今度は前の回答の言い換えが返ってくる。何度か往復したあと、結局自分で考えるしかないと判断して閉じる、ということが起きる。

このとき手元には、送った質問文は残っているが、自分が何に迷っていたのかを書いた文は1行も残っていない。

一般論が返るのは、材料ではなく感想を送っているため

「うまく進まない」は、事実ではなく事実に対する感想である。感想だけを受け取ったAIは、想定しうる原因を広く並べるしかない。結果として出てくるのが、どの人にも当てはまる一覧である。

つまり、返答が浅いのはAIの性能やプロンプトの語彙の問題ではなく、渡した材料に事実と分岐が入っていないからである。逆に、事実が1行あるだけで候補は絞られ、分岐が1行あると答えが二択の比較になる。返してほしい形を1行足せば、長さと粒度も揃う。

この3行は、AIに書かせずに自分で書く。AIに「私の状況を整理して」と頼むと、整理の材料がまだ無い状態で推測が始まってしまう。

手順: 送信前に3行を書く(10分)

1. 事実の行を書く(4分)

期間・回数・日付のどれかを必ず入れて、1行で書く。感想語(うまくいかない、しんどい、ダメ)は使わない。

「9月に入ってから、週次の作業予定を3週続けて木曜に前倒しできず、金曜の夜に回した。」

数えられる語が1つも入らないときは、まだ事実の行になっていない。「何回」「いつから」のどちらかを思い出して入れる。

2. 分岐の行を書く(4分)

いま決めかねている選択肢を、AかBの形で1行にする。3つ以上ある場合は、今週決めるものだけ2つに絞る。

「作業日を木曜のまま守る工夫を足すか、最初から金曜に置き直すか、で迷っている。」

分岐が書けないときは、迷っているのではなく情報が足りない状態である。その場合は3の行を「調べる観点を3つ挙げてほしい」に変える。

3. 返してほしい形の行を書く(2分)

出力の形式と量を指定する。内容の良し悪しではなく、形だけを決める。

「AとBのそれぞれについて、続けにくくなる条件を2つずつ、箇条書きで書いてほしい。助言は不要。」

書いた3行を、そのまま先頭に貼って送る。プロンプト本体は今使っているものを変えなくてよい。

やってみると、ここでつまずく

1つ目は、事実の行に評価が混ざることである。「前倒しできなかった」は事実だが、「意志が弱くて前倒しできなかった」は原因の推測が入っている。推測を入れると、AIはその推測を前提に回答を組むため、確かめないまま話が進む。原因は書かず、起きたことだけを書く。

2つ目は、3行を書いた時点で満足して送らないことである。これは失敗ではないが、書いて終わった週は記録が残らない。3行は捨てずに日付を付けて残しておくと、翌週に同じ分岐が出たかどうかが分かる。

3つ目は、毎回3行の形を思い出せないことである。事実・分岐・形の3項目は、忘れると1行目だけ長く書いて終わる。メモアプリに空の3行テンプレートを1つ置き、そこに書いてから貼る形にすると戻りにくい。

LifeOSでは、この3行を毎回思い出さなくてよい形にしている

上の手順で続けにくいのは、相談したい気持ちが強い場面に限って、3行を書く手間が邪魔に感じられるところである。LifeOSは対話の入口で問われる順番が固定されていて、事実を置く場所と、決めかねている点を置く場所が分かれている。週1回の振り返りでは、前の週に置いた分岐が残っているため、同じ迷いが何回出たかを自分で数えなくてよい。3行を毎回自力で組み立てる作業が不要になる、という部分だけが違いである。

どう問われるかは読むより試すほうが早い。3分で最初の対話ができる。

→ LifeOSを試す

AIを振り返りに使う全体像はAIジャーナリングとはにまとめてある。送ったあとの往復のさせ方はAIとの壁打ちのやり方、質問文そのものの型はChatGPTへの質問が上手くなる3つの型を参照できる。

よくある質問

3行を書くなら、AIに聞かなくても自分で結論が出るのでは

そういう週もある。3行書いた時点で答えが決まるなら、それで終えてよい。この手順の目的は相談を増やすことではなく、送る前に自分の側で決まっている部分と決まっていない部分を分けることである。決まっていない部分だけを送ると、往復が短くなる。

3行は毎回新しく書くのか、前の週のものを使い回すのか

事実の行は毎回書き直す。分岐の行は、前の週に決着していなければそのまま持ち越してよい。同じ分岐が3週続いたときは、分岐の立て方自体が粗い可能性があるため、選択肢を2つに割り直すほうが早いことが多い。

感情を書いてはいけないのか

書いてもよい。ここで分けているのは良し悪しではなく置き場所である。事実の行に混ぜると原因の推測として扱われるため、必要なときは4行目として独立させる。なお、気持ちの落ち込みが続く場合は無理に続けなくてよい。LifeOSは診断・治療・カウンセリングを提供するサービスではなく、この手順が何かの効果を保証するものでもない。