月次の振り返りとは、1か月に起きたことをもう一度読み返す作業ではなく、週次の振り返りで決めた「次の一手」4〜5件について、続けるか捨てるかを1件ずつ決める作業である。 見る対象は1か月分の記録全体ではなく、そこから出力された一手の行だけに限る。この記事では、週次・月次・四半期の役割を分けたうえで、月次を30分で終える手順を書く。週次の記録が1か月分あれば、紙とペンだけで実行できる。
1か月分のページを開いた時点で、終わる見込みがなくなる
月に1回の振り返りを始めた人の中には、初回に1か月分の記録を頭から読み返して、1時間経っても第2週から進まなかった経験がある人もいる。読んでいる間は「そういえばこんなことがあった」と発見があるので、手応えはある。ただ、終わったあとに残っているものが何もない。翌月は開く気にならず、そのまま2か月空く。
週次を続けている人ほど起きやすい。材料が多いからだ。4週分の記録があると、読む量は週次の4倍になるのに、割ける時間は週次と同じか少し長い程度しかない。
終わらないのは、月次に週次と同じ仕事をさせているから
週次の振り返りは、その週に起きたことから次の一手を1つ決める作業である。もし月次でも同じことをするなら、対象期間が4倍になっただけで、やっていることは週次と変わらない。同じ仕事を長い期間でやり直すから終わらない、という形式の問題がまず1つある。
役割で分けるとこうなる。
週次: その週の事実から、次の一手を1つ決める
月次: 先月決めた一手4〜5件の採否を決める(やる/やめる)
四半期: 見ている方向そのものを点検する
つまり月次の材料は「1か月の出来事」ではなく「週次の出力」である。週次が4回終わっていれば、材料は4行か5行しかない。これなら30分で終わる。方向性そのものを見直したくなったら、それは四半期の仕事として別に置く。この記事では扱わない。
週次をまだ回していない場合は、月次から始めるより先に週1回の振り返りのやり方のほうを読んでほしい。材料になる一手が無い状態では、月次は手順として成立しない。
手順: 一手の採否を決める(30分・月1回)
1. 一手の行だけを抜き出して並べる(10分)
先月の週次記録を開き、「来週の一手」「次にやること」にあたる行だけを別の紙へ書き写す。他の行は読まない。週次を4回やっていれば4行、飛ばした週があれば3行でよい。日付も一緒に書く。
読み飛ばすのが難しければ、記録を開く前に「今日は一手の行しか読まない」と紙の上に書いてから開く。これは実際に効く。
2. 各行に○△×を付ける(5分)
並んだ行の右に、実際にやったかどうかを付ける。判断は記憶ではなく、痕跡で決める。
○: カレンダー・記録・成果物のどれかに、やった跡がある
△: 一部だけやった跡がある
×: 跡が見つからない
記憶で付けると、印象のよかった週が○に寄りやすい。跡が見つからないものは、覚えていても×でよい。ここは自分を評価する欄ではなく、次の判断のための材料を作る欄である。
3. ×が付いた一手を1つだけ選び、扱いを決める(10分)
×が複数あっても、扱うのは1つだけにする。選んだ1件について、次の2つのどちらかを紙に書く。
捨てる: 「〇〇は今月で終わり」と書いて、線を引く
1回だけ再挑戦: 条件を1つ変えて、いつやるかを日付で書く
どちらも書けないものは捨てる側に入れる。保留の欄は作らない。保留の行が溜まると、翌月の材料が増えて、また終わらなくなる。残りの×は、今月は触らずそのまま残す。
4. 翌月へ持ち越す一手を1つだけ書く(5分)
最後に、来月も続ける一手を1つだけ選び、月次のページの一番上に書く。○が付いた行から選んでもよいし、手順3で再挑戦にしたものでもよい。2つ以上書かない。翌月の手順1では、この行が最初の材料になる。
実際にやると、ここでつまずく
筆者が最初にやったとき、手順1で週次の記録を開いた時点で、一手の行以外を読んでしまった。書いてある内容が面白いからで、意志の問題というより記録の作りの問題だった。翌月からは週次を書く段階で、一手の行の左端に「→」を付けるようにした。これで抜き出しが3分で済むようになった。週次の書式を少し変えるほうが、月次で我慢するより確実だった。
もう1つは、手順2で×が4行中3行になった月があり、そのまま自分の運用全体を見直したくなったことだ。ここで方向の話を始めると月次は終わらない。そのときは「×が3件」とだけ書いて閉じ、方向の点検は別の日に置いた。
この手順の限界
週次の記録が1か月分そろっていない月は、この手順はほぼ空振りになる。材料が1行か2行しかないためで、その月は月次をやらずに飛ばしてよい。週次のほうが軽くならないと月次は回らないので、その場合は週次レビューの方法を15分で終える形にする手順を先に試すほうが順番として早い。
また、決めた一手を翌月まで覚えていられない問題は、この手順とは別に扱う必要がある。思い出す仕組みの作り方は立てた目標を忘れるのは自然のほうに書いた。月次は「思い出したあとに採否を決める」段階だけを担当している。
LifeOSがこの部分をどう扱うか
紙でこの手順をやるとき、いちばん面倒なのは手順1である。4週分の記録から一手の行だけを探して書き写す作業は、内容としては単純なのに、毎月必ず発生する。ここで止まって月次ごと飛ばす月が出やすい。
LifeOSは、週1回の振り返りをAIとの対話で進めるサービスで、週ごとの回答が同じ場所に積み上がる。先月分を並べて眺めるところまでが手元で済むので、書き写す工程を挟まずに採否の判断から始められる。月次を止めるかどうかの分かれ目が抜き出し作業にある人には、この違いが効くことがある。3分ほどで試せる。
FAQ
月次振り返りは何日にやるのがよいですか?
月末でも月初でもよいが、週次と同じ日に重ねないほうが終わりやすい。週次の直後に続けてやると、頭が週次の材料に引っ張られて、一手の採否ではなく出来事の話に戻りやすいことがある。
週次をやっていなくても月次だけできますか?
この手順は週次の出力を材料にしているため、そのままでは使えない。週次なしで月に1回だけ振り返るなら、期間を1か月にした週次の手順を回すほうが近い。その手順は週1回の振り返りのやり方にある。
月次で自分の成長が見えないのですが、やり方が間違っていますか?
そうとは限らない。この手順は一手の採否を決めるためのもので、成長や状態を測るためのものではない。1か月で変化が見える種類のことと、そうでないことがある。また、この記事もLifeOSも、心身の状態を診断・治療・カウンセリングするものではない。気分の落ち込みが続いていて生活に差し支えがあると感じる場合は、記録の工夫よりも先に、話せる相手や専門の相談窓口を頼るほうが適していることがある。
