リストを畳むとは、項目を消すことでも優先順位を付け直すことでもなく、今週じっさいに使える時間を先に数え、その時間に収まるところで線を引き、線より下を今週の対象から外す作業である。 判断材料は重要度ではなく、可処分時間という数字1つに固定する。この記事では、予定表から空き枠を測り、リストに線を引くまでの手順を扱う。所要は45分で、予定表と今のリストがあればできる。
20件のうち終わるのは8件で、3週間前の項目がまだ載っている
月曜にリストを作る。20件ほどある。金曜の夜に見ると、消えているのは8件で、残りはそのまま翌週へ移る。翌週も新しい項目が足されるので、件数は減らない。
いちばん上の項目が、3週間前から同じ文言で載っている。 見るたびに目に入り、そのたびに「今週こそ」と思い、また移動する。リストを開くこと自体が少し重くなり、やがて開かない日が出てくる。
このとき、やり方を疑ってアプリを変えたり、優先度のA/B/Cを付け直したりする人もいる。ただ、消化される件数がいつも同じくらいなら、変えるべきは並べ方ではなく件数のほうかもしれない。
終わらないのは、時間を数える前に項目を並べているから
リストを作るとき、多くの場合は思いついた順か、重要そうな順に項目を並べている。ここには「今週その作業に使える時間が何時間あるか」という数字が一度も出てこない。
その結果、リストは「やりたいことの総量」を表す。総量は、使える時間とは無関係に増える。20件のリストが8件しか終わらないのは、意志や集中力の問題である前に、20件ぶんの時間が最初から週の中に存在していないという単純な計算の話であることが多い。
だから対処は、速く片付ける方法を探すことではなく、使える時間を先に測り、その量に合わせてリストの長さを切ることになる。切った残りは消さずに別の場所へ置く。
なお、リストではなく目標そのものが多すぎる場合は、目標を立てても続かないときの、目標を減らす手順が近い。切った項目を毎週どう扱うかは日曜の夜10分でできる1週間の振り返り手順に置き場所がある。本記事は今週のリストを可処分時間で切る工程だけを扱う。
手順: 時間を測ってから線を引く(45分)
1. 今週の空き枠を30分単位で数える(20分)
予定表を開き、今日から日曜までを1日ずつ見る。連続して30分以上あいている枠だけを数え、30分未満の隙間は数えない。
月 20:00-21:30 → 1.5h
火 なし
水 21:00-22:00 → 1h
木 7:00-7:30 → 0.5h
土 9:00-12:00 → 3h
移動・食事・入浴・寝る前の支度が入る時間は、予定として書かれていなくても空き枠から外す。合計を出す。ここで出る数字は、想像していたより小さいことが多い。
2. 各項目に見積もりを4段階で付ける(15分)
リストの各項目の横に、15分・30分・60分・90分以上のいずれか1つを書く。分単位で細かく見積もらない。 4段階に丸めるのは、正確さより速さを優先するためである。
90分以上が付いた項目は、その週のうちに終わらない。「最初の30分でする動作」に書き換えて30分にする。 「確定申告」なら「去年の書類をファイルから出して並べる」のように、動作の名前へ変える。
3. 空き枠の7割で線を引く(5分)
リストを上から順に見積もり時間で積み上げていき、合計が手順1の空き枠の7割に達したところで横線を引く。
空き枠が6時間なら、線は4時間ちょうどのところに来る。10割にしない理由は、見積もりが下振れするからではなく、予定表に書かれない用事が毎週必ず入るからである。
4. 線より下を「今週やらない」欄へ移す(5分)
線より下の項目を、リストの下段か別のメモへ丸ごと移す。このとき日付を入れない。 日付を入れると、来週のリストにそのまま移動して同じことが起きる。
出力物は次の1行と、線の引かれたリストである。
今週の可処分は6時間。7割は4時間。線は7件目の下に引いた。
実際にやると、ここでつまずく
筆者が最初にやったとき、手順1で数えた空き枠は週14時間だった。実際に作業に使えたのは4時間台である。原因は、予定の入っていない時間をすべて空き枠として数えたことだった。平日の19時から23時を4時間の枠として書いていたが、そこには夕食も片付けも含まれている。連続30分以上という条件と、生活の用事を先に外すという条件を足してからは、見積もりと実績のずれが1時間以内に収まるようになった。
手順3でもつまずいた。最初は10割で線を引いた。その週の終わりに残ったのは6割で、繰り越しは前の週より増えている。時間ちょうどまで詰めると、1件でも遅れた瞬間に後ろが全部ずれる。 7割にしてからは、線の上が最後まで消える週が出てきた。7割という数字自体に根拠はないが、8割と6割も試したうえで、自分には7割が合っていた。
もう1つ、手順4で「今週やらない」欄に移した項目に、つい「来週」と書き込んでいた。書いた瞬間にその項目は来週のリストの先頭になり、来週も時間を測る前に埋まっている状態が再現される。日付を書かないという制約は、守るのが思ったより難しい。
この手順の続けにくい点と、LifeOSがそこをどう扱うか
この手順は毎週やって意味が出る。ところが、忙しい週ほど時間を測る45分が取れず、測らないままリストだけが伸びる。うまくいっていない週に限って実行されないという性質がある。
また、線より下に移した項目がどれだけ溜まっているかは、この手順だけでは見えない。溜まり続けると、そもそも自分が引き受けている量が多いのか、選び方がずれているのかを考える必要が出てくるが、そこは週単位の作業の外側にある。
LifeOSは、AIとの対話で自分の価値観を言葉にし、週1回の振り返りでそれを更新していくサービスである。週1回の振り返りが、その週に何をしたかではなく何を選ばなかったかにも触れる形をとっているため、線より下に移した項目の傾向を言葉にする場所がある。タスク管理ツールではないので、リスト自体の管理や時間の計測は行わない。登録前に約3分の対話を試せるので、選ばなかったものを見る形が自分に合うかを確かめる材料にはなる。
リストに限らず、記録や振り返りの形式全体を点検したい場合は、振り返りが続かないのは意志の問題ではないに6項目の手順がある。
FAQ
線より下に移した項目は、いつ戻せばいいですか?
翌週に時間を測り直したあと、上から積み直す段階で自然に戻る。戻す日を先に決めないほうがよい。 決めてしまうと、その週の可処分時間と関係なく枠を占めることになる。何週も戻らない項目は、量の問題ではなく必要性の問題なので、そこだけ別に判断する。
締切がある項目が線より下に来たらどうしますか?
締切のある項目は手順2の前にリストの先頭へ移し、線を引く対象の上に固定しておく。それでも7割に収まらない場合は、可処分時間が足りていないという情報になる。その週は他の項目を増やさない判断材料として使う。
毎週やっても、線より下の件数が減りません。
引き受けている量が使える時間を超えている可能性が高い。この手順は量を減らす手順ではなく、今週の対象を切り分ける手順なので、量そのものは扱っていない。なお、これは働き方や体調の状態を判定する手順ではない。どれだけ畳んでも終わらない状態が続いて気になる場合は、話せる相手や専門の相談窓口を頼ってほしい。 この記事も記事内のサービスも、診断・治療・カウンセリングを目的としたものではない。
