ChatGPT自己分析の深掘り方。追加質問の作り方と、貼れる完成例3つ

2026-09-22 | blog

目次

AIの回答を深掘りするとは、「もっと深く」と頼むことではなく、回答の中から掘る先を1文だけ指定して、その1文についてだけ追加で聞くことである。 掘る先を指定しない依頼に対して、AIは全体をもう一度書き直すしかない。書き直した結果は、たいてい同じ内容の言い換えになる。

この記事では、すでに手元にあるAIの回答1本から掘る先を1文選び、3つの部品で追加質問を組んで、3往復で打ち切る手順を書く。所要は1回20分、使うのは前回の回答と自分の記憶だけである。新しいプロンプト集も有料プランも要らない。

前提として、この記事は材料が足りている場合の話をする。渡した入力が薄いまま掘っても、薄い一般論が2回返るだけである。手応えのなさが材料の不足から来ている可能性があるなら、先にChatGPTの自己分析が当たらないと感じたら、足すべきは材料のほうを済ませたほうが早い。この記事が扱うのは、材料は渡したうえで、返ってきた回答の一点だけを掘り直すという追加質問の作り方である。最初の質問文そのものから整えたい場合は、先にChatGPTで自己分析するプロンプト(基本の3つ)を見ておくとよい。

「もっと深く掘ってください」と打つと、同じ話が5段落返ってくる

AIに自己分析を頼んで、5段落の回答が返ってくる。読んで、悪くはないと思う。ただ、どれも一段手前で止まっている感じがする。そこで「もっと深く掘ってください」と打つ。

返ってくるのは、さっきより長い5段落である。読むと、内容はほとんど同じで、形容詞が増え、見出しが付き、最後に「いかがでしょうか」が足されている。もう一度「具体的に」と打つ。今度は箇条書きになって戻ってくる。箇条書きの各項目は、さっきの段落の1文目と同じである。

3往復して、画面のスクロールだけが長くなる。深くなっていないのに文字数だけが増えていく。 ここで「AIの限界だな」と判断してタブを閉じることがある。

「深く」は指示になっていない。指示になるのは「どこを」である

AIは、渡された文字列から次の文字列を作る。「深く」という語には、どの方向へどれだけ進むかの情報が入っていない。だからAIは、安全な処理、つまり同じ内容をより丁寧に書き直すという処理を選ぶ。言い換えが返るのは故障ではなく、指示が量の指定になっていて方向の指定になっていないことの結果である。

方向を決められるのは、書いた本人ではなく読んだ側にしかいない。回答のどの文が引っかかったか、どの文なら自分の持っている具体例と突き合わせられるかは、AIの側からは見えないからである。掘る先を選ぶ作業は、AIへ渡す前に自分で終わらせておく必要がある。

そして掘る先は1回につき1つに限る。2つ以上を同時に指定すると、AIは両方に触れるために各論を浅くする。浅くなった2つが返ってくると、どちらを次に掘るかがまた決まらない。以下はそのための手順である。

手順(20分・前回の回答1本)

1. 回答から、掘る先の候補を抜く(5分)

前回の回答を開き、抽象的な名詞や形容で終わっている文だけを拾って、紙かメモに書き出す。「〜な傾向があります」「〜を重視しているようです」「〜とのバランスを取っています」といった形の文である。ふつう3〜5文になる。

具体的な行動が書かれている文(「週末に読書をしている、と書かれています」など)は候補から外す。それは自分が渡した入力の写しであって、掘る先ではない。

2. 候補から、自分が反論したくなる1文を選ぶ(3分)

候補を読んで、「そこまでではない」「それは違う気がする」と言い返したくなる文を1つ選ぶ。選び方の基準はこれだけである。

選ぶ = 読んで引っかかる/反論したくなる/半分だけ当たっている
選ばない = 読んで納得する/自分でも前から言っている

納得できる文を掘っても、返ってくるのは自分がすでに知っていることの補強である。引っかかりのある文のほうが、自分の側に反証の具体例が溜まっている。 その具体例が次の手順の部品になる。

3. 追加質問を、3つの部品で1文に組む(7分)

選んだ1文について、次の3つを並べて送る。順番もこのとおりにする。

①掘る先: 前の回答の該当文をそのまま引用する(「〜という指摘について」)
②反証の場面: それと合わない自分の具体的な場面を1つ、日付と行動で書く
③返し方の指定: 「この場面と矛盾しない解釈を1つと、矛盾する解釈を1つ、それぞれ2行で」

②を入れるかどうかで返ってくるものが変わる。②が無いと、AIは自分の前の回答を守る方向へ書く。矛盾する事実を1つ渡すと、AIは前提を組み直さざるを得なくなる。 ③で解釈を2つ要求するのは、片方だけだと結論の断定が返りやすいからである。

そのまま貼れる追加質問の完成例(強み/価値観/就活・転職)

手順3の3つの部品を、そのまま貼れる形にした例を3つ置く。「○月○日」の欄と「△△」の欄に、自分の場面と行動を入れて送る。

先ほどの「〜を重視する傾向」という指摘について。私が○月○日に△△した場面は、この指摘と合いません。この場面と矛盾しない解釈と矛盾する解釈を、それぞれ2行で出してください。

強みについて返ってきた回答に使う形である。「〜」には前の回答の該当文をそのまま入れ、○月○日の欄に自分の場面を入れる。

先ほどの「〜を大切にする価値観」という指摘について。私が○月○日に△△した場面は、この指摘と合いません。この場面と矛盾しない解釈と矛盾する解釈を、それぞれ2行で出してください。

価値観について返ってきた回答に使う形で、違いは「価値観」の語だけである。○月○日の欄には、その価値観と合わない自分の場面を入れる。

採用担当者の立場で読んでください。先ほどの「〜という強み」という指摘について。私が○月○日に△△した場面は、この指摘と合いません。この場面と矛盾しない解釈と矛盾する解釈を、それぞれ2行で出してください。

就活・転職の自己分析に使う形で、冒頭に役割の1行を足しただけである。○月○日の欄に自分の場面を入れ、返ってきた2つの解釈のうち、面接で説明できるほうを残す。

AIが出した強みや価値観は結論ではなく仮説として扱い、根拠になった自分の経験まで戻って確認する。次の手順4の判定は、そのための確認である。

4. 返ってきた回答を、2つの条件で判定する(2分)

読み終えたら、次の2つだけを確認する。1分で終わる。

条件1: 自分が書いていない具体(場面・条件・時期)が1つ以上入っているか
条件2: 自分が渡した文の言い換えだけになっていないか

両方を満たせば1段掘れている。どちらか欠けていれば、掘る先の選び方が手順2の「納得できる文」側だったことが多い。候補の別の1文へ替えて、手順3をやり直す。

5. 止める条件を先に決めて、最後に1行残す(3分)

同じ抽象語が2回返ってきたら終了する。最大3往復で打ち切る。 これを始める前に決めておく。決めずに始めると、手応えが出ないほど往復が増え、増えるほど回答が長くなる。

打ち切ったら、掘って出てきた内容を自分の言葉で1行だけ書いて残す。AIの文をそのままコピーしない。コピーした行は、次に読み返したときに自分の文か借り物かが分からなくなる。

実際にやると、ここでつまずく

最初の候補抜きで、全文を候補にしてしまう。 手順1をやると、最初は8文くらい抜き出したくなる。筆者が最初にやったときは10文抜いて、どれから掘るかが決まらず、結局いちばん上の文から掘って浅い答えを引いた。抽象で終わる文だけに絞ると3〜5文に落ち、選ぶのに迷わなくなった。

納得できる文を選んでしまう。 手順2でやりがちなのはこれである。読んで気持ちのよい文は、掘っても気持ちのよい文が返るだけだった。3往復して何も新しい情報が出ず、反論したくなる文へ替えたら1往復で「自分が書いていない条件」が出た。選ぶ基準を心地よさから引っかかりへ変えるところが、この手順でいちばん効く。

反証の場面が思い出せず、②を省く。 手順3で②を省くと、質問文が短くて楽になる。ただし返ってくるのは前の回答の補強である。場面が思い出せないときは、その文自体が自分の生活と接点を持っていない可能性があるので、候補から外して別の文へ替えたほうが早い。

この手順の続けにくい点と、LifeOSがそこをどう扱うか

正直に書くと、この掘り方は1回あたりの負荷が高い。反証の場面を思い出す作業がそれなりに重く、疲れている日にはできない。そして掘れたとしても、出てきた1行は次に同じ話をするときには手元から消えている。会話の履歴に埋もれるか、メモアプリのどこかに残るからである。

掘る作業より、掘って出た1行を次回の前提にする作業のほうが続かない。 次にAIへ話しかけるとき、前回の1行を貼り直さなければ、また同じ深さの回答から始まる。

LifeOSは、週1回の振り返りをAIとの対話で進めるサービスで、答えた内容が同じ場所に積み上がる。AIが返すのは断定ではなく仮説で、採るか採らないかは項目ごとに本人が決め、本人が確認したものだけが次回以降の前提として残る。 掘り直しの往復を自動で代わりにやってくれるサービスではないが、この記事の手順5で残した1行にあたるものを、毎回貼り直さなくてよい形にはできる。判断そのものを任せたい場合には向かない。登録なしで3分ほど試せる。

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AIとの振り返り全体の考え方はAIジャーナリングとはに、そもそもの質問の組み立て方はChatGPTへの質問が上手くなる3つの型にまとめてある。

FAQ

3往復で打ち切ると、掘り足りないまま終わりませんか?

終わることはある。ただし4往復目以降に新しい具体が出てきた例は、筆者の手元では確認できていない。掘り足りないと感じる場合は、往復を増やすより、日を空けて別の候補文から掘り直すほうが材料が変わる。往復数の上限は、時間を区切るための目安であって、これを守れば深い答えが得られると保証するものではない。

無料のChatGPTでもできますか?

できる。この手順で使うのは前回の回答と自分の記憶だけで、AI側の特別な機能は使わない。モデルによって文章の質は変わるが、掘る先を指定しない依頼に対して言い換えが返りやすい性質は、モデルを変えても大きくは変わらない。

掘った結果が自分に否定的な内容で、読むのがつらくなったときはどうすればいいですか?

その時点でやめてよい。手順5の打ち切りは、往復数だけでなく読んでいて負荷が高いと感じたときにも使える。なお、この記事もLifeOSも、心身の状態を診断・治療・カウンセリングするものではない。気分の重さが続いて生活に差し支えがあると感じる場合は、AIへの聞き方を工夫するより先に、話せる相手や医療機関・公的な相談窓口を頼るほうが適していることがある。