個人のOKRの目標例。週次振り返りにつなぐ小さな設計

2026-10-23 | blog

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個人で使うOKRとは、達成したい状態を1文で書いたO(目的)と、その進み具合を数で確認できるKR(指標)2つを組にした、1か月単位の取り決めである。 会社で使うOKRと違い、誰かと共有せず、評価にも使わない。そのため、達成率を出す工程は省いてよい。

この記事で扱うのは、仕事・学び・暮らしの3場面の例文を見ながら、自分のOを1文書き、KRを2つ選び、週1回3分で見る形にするまでの手順である。紙1枚で足りる。

「今期は英語をやる」と決めた3月、6月に何が進んだか言えない

3月に手帳の最初のページへ「今期は英語をやる」と書いた。6月に同じページを開くと、やったことは思い出せるのに、進んだのかどうかが言えない。単語帳を2冊買って、1冊は3割で止まっている。会議では相変わらず聞き返せていない。

調べると、OKRという形が出てくる。ただ出てくる例は「売上を前年比120%に」「NPSを10ポイント改善」のような会社の例ばかりで、自分の生活にどう移すのかが分からない。数字を入れろと書かれていても、英語や暮らしのことに入れる数字が思いつかない。

言えないのは、目標の文に「数えられる部分」が無いから

「英語をやる」という文には、進んだかどうかを判断する材料が含まれていない。やったかやらなかったかは言えるが、どこまで来たかは言えない。これは意志や計画性の問題ではなく、文の形の問題である。

OKRが個人にも使えるのは、この問題に対して文を2段に分けるという形を持っているからである。

  • O(目的): 達成したい状態を1文で書く。数は入れない
  • KR(指標): その状態に近づいているかを数で確認できるものを2つ

Oだけだと判断できず、KRだけだと何のためにやっているか分からなくなる。2段にすると、週に1回見るのはKRの数だけで済み、Oの文は月に1回読めばよくなる。目標を立てた後で忘れてしまう問題(目標を忘れるとき)に対しても、見る対象が数に絞られる分だけ軽くなることがある。

60分で書いて、週1回3分で見る手順

手順1: Oを1文で書く(15分)

「〜できる状態になっている」で終える形にする。数は入れない。1つだけ書く。2つ書くと、週の確認が倍になって続かない。

場面別の例文を3つ挙げる。

  • 仕事: 「初対面の相手に、自分の仕事を60秒で説明できる状態になっている」
  • 学び: 「英語の会議で、聞き取れなかった箇所をその場で聞き返せる状態になっている」
  • 暮らし: 「平日の夜に、翌日の支度を10分で終えられる状態になっている」

いずれも「できる状態」で終わっていて、「頑張る」「意識する」が入っていない。自分の文がこの形にならないときは、Oが大きすぎることが多い。「英語ができる」ではなく、どの場面の何ができればよいのかを1つに絞る。

手順2: KRを2つ選ぶ(20分)

KRの条件は3つある。

  1. 数で書ける
  2. 週1回の確認で数が動く
  3. 自分だけで数えられる(相手の評価や返信を必要としない)

先の3例に対するKRの例である。

  • 60秒で説明: ①録音して60秒以内に収まった回数 ②説明の型を書き直した回数
  • 聞き返せる: ①会議で実際に聞き返した回数 ②聞き返すときの言い方を書き留めた数
  • 支度10分: ①10分以内に終わった日数 ②前夜に玄関へ置いた物の数

2つのうち1つは「結果に近い数」、もう1つは「準備に近い数」にすると、動かない週に原因が分かる。どちらも動いていないならOが大きすぎ、準備側だけ動いているなら本番の場面が足りていない、という読み方ができる。

手順3: 期間を1か月にする(10分)

会社では四半期が多いが、個人では1か月にする。3か月は、途中で生活の条件が変わる確率が高く、変わったときに全部を書き直すことになる。1か月で動いたら、同じOのまま翌月へ延長してよい。1年単位で考えたい場合は、期間の設計そのものを扱った年間目標の立て方の方が近い。

手順4: 確認日を曜日と時刻で決める(10分)

週1回、曜日と時刻をカレンダーに入れる。確認でやるのは、KRの数を2つ書き足すことだけである。3分で終わる。

このとき、○×をつけない。数だけ書く。○×にすると、やったかどうかの記録になり、進み具合が見えなくなる。週次の振り返り全体の中にこの3分を置く形は週1回の振り返りのやり方の手順に挟める。KPTのような形で週を振り返っている場合はKPTを個人の週次振り返りに使うのKeep欄の横にKRの数を置くだけでよい。

手順5: 1か月後に1行で決める(5分)

月末に、KRの数が動いたかどうかと、Oの文を変えるかどうかを1行書く。達成率は出さない。パーセントにすると、点を取ることが目的になりやすい。月単位で実行を点検する形は月次の振り返りに合わせられる。

この手順が続きにくくなる場面

KRを3つ以上にしてしまう。 3つあると週3分で終わらず、確認日が飛ぶ。2つで足りないと感じるのは、Oが2つ混ざっているときである。

数えにくいKRを入れる。 「理解が深まった度合い」のようなKRは、確認日に見た瞬間に止まる。数えられないと分かった時点で、別のKRに差し替えてよい。月の途中の差し替えは1回までにしておくと、何が動いたのか分かる。

数が2週続けて動かない。 このとき、KRを「やった回数」に寄せると数は動くが、行動の管理に戻ってしまう。寄せる前に、Oを小さくする方を先に試す。「60秒で説明できる」が動かないなら、「30秒の自己紹介ができる」に下げる。

会社のOKRをそのまま持ち込む。 評価の形式(達成度の採点、上司との合意)が付いてくると、個人でやる意味が薄くなる。共有しない前提を崩さない方がよい。

OKRという形自体が合わない人もいる。目標の数が多すぎて動けないのであれば目標を立てても続かないときに目標を減らす手順の方が先である。

LifeOSがこの部分をどう扱うか

ここまでの手順にLifeOSは出てこない。紙1枚と週3分で回る。

扱いにくいのは、Oの文が自分のやりたいことと合っているかどうかである。KRは数なので動いたか止まったかが分かるが、Oは1か月見ていると「なぜこれを選んだのか」が薄れる。数が動いているのに気が乗らない月があり、その違和感は数には出ない。

LifeOSは、週1回の対話でOの文を読み直し、そこが自分の優先したいことからずれていないかを見る場所として使える。KRの数は手元の紙に残し、Oの側をLifeOSが持つ、という分け方である。何を優先したいのかがまだ言葉になっていない場合は、自分の価値観の見つけ方を先に通した方が、Oの1文が書きやすくなることがある。

どう記録されるかは読むより触った方が早いので、3分で試せる形を用意している。LifeOSを試す

よくある質問

個人のOKRは、目標設定シートやKPIとどう違うのですか?

目標設定シートは項目を埋める形式で、達成度の採点を前提にしているものが多い。KPIは継続して監視する指標で、終わりが無い。OKRは、1つのOに対して期間を区切ったKRを置き、期間が終われば書き換える前提である。個人で使う場合は、採点をしない点と、1か月で書き換える点が実務上の違いになる。

KRが数えられない目標のときはどうすればいいですか?

Oが抽象的な状態(「自信を持てる」など)になっていることが多い。その場合は、その状態が成り立っているときに自分が何をしているかを1つ書き出し、それをOにする。「自信を持てる」なら「会議で最初に発言できる状態になっている」のように場面へ落とすと、回数が数えられるようになる。

1か月でKRが全部動かなかった場合は失敗ですか?

動かなかったという結果は、Oの大きさかKRの選び方が合っていなかったという情報として使える。失敗として扱うと、翌月に目標そのものを立てなくなることがある。1行だけ「何が動かなかったか」を残して、Oを一段小さくして同じ月数でもう一度やる形にしておくと、判断材料が増える。